初めてコンタクトレンズを付けるときは、誰だって緊張するものです。大抵の方は眼科でデビューします。
検査を受け、視力を測り、それが終わったらしばらく待合室でそわそわします。今か今かと待ち構えていると、もっとも聞き覚えのある名前が呼ばれます。「はいっ。」と少し上ずったよそ行きの声で返事をして、眼科のお姉さんの後に付いて行くと、いよいよコンタクトレンズと対面を果たします。まずはなんと、お姉さんがつけてくれるというではありませんか。おお、プロがやってくれるならそんな心強いことはない、そんな風にお姉さんに対して一切の信用を置いているはずと思っていても、いざ目の前にお姉さんの手にくっついたぷよぷよのレンズが目に近づいてくると、それはもう半端ではない恐怖です。あの恐怖に耐えられる人などめったにいません。何度やっても目をつぶって拒否してしまうものです。
ある程度回数を重ねると、お姉さんも諦めがつき、自分でつけてみるように指示します。さあ、手を洗ってレンズに触れてみます。指の上でレンズを美しい形に整えますが、ここが案外難しい。柔らかいレンズをやっとのことで整えたら、目に近づけます。やっぱり怖いものです。でもだんだん慣れてきます。しぶとく格闘すること10分ぐらい。ついにハマった時のうれしさよ。しかし、しっくりこないこともあります。そんなときは眼球のカーブとレンズのカーブが合っていません。ですからお姉さんに申し出ましょう。
個人差はかなりありますが、この体験は誰もが思い出に残るものです。